横浜女が滋賀で主婦する

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金ロー「インサイド・ヘッド」感想 なんていうか端的に言うと完璧

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こんばんは。まったりな休日サイコー!おおたです。

 

先日、金曜ロードショーで地上波初放送された「インサイド・ヘッド」の感想をつづります。

以前レンタルDVDで観て以来、大好きな映画のひとつです。

 

毎度のことですが、おしゃべりのつもりでなんでもつらつら書いちゃうタイプのブログなので、

これから観るのを楽しみにしている!という方はご注意ください。

 

観たことない方にもある程度伝わるように書くつもりですし、わたし自身誰かの感想を聞いてから「へー!」と観たくなることもあるのですが

この映画はネタバレなしで一度観てほしいな~とも思います。

 

あらすじを詳しく知りたい方はインサイド・ヘッド - Wikipediaか、

動画再生OKな状態なら予告動画↓をご覧いただくとよろしいかと!

 


映画『インサイド・ヘッド』最新予告編

 

 

さくっと基本情報

 

主人公は「ライリー」という11歳の女の子。

田舎のミネソタからまったく環境の違うサンフランシスコへ引っ越しすることから始まり、

荷物を積んだトラックが行方不明になるわ、親は新しい仕事で忙しそうだわ、転校した学校にもなじめないわ…でくらくらきたライリーが反抗する、というのが表面上の物語です。

 

そして重要なのは、その頭の中(司令部)にいる擬人化された感情たち。

 

〇ヨロコビ

ポジティブ思考でみんなを引っ張るリーダー。ライリーの中に、最初に生まれた感情。

なぜか彼女だけは、内側から出る光にいつも包まれてる。

アクシデントで司令部から出てしまい脳内迷子になったヨロコビ(とカナシミ)の冒険ストーリーでもあるから、実質的な主人公はヨロコビと言えるかな? 

 

〇ビビリ

常におそろしいことを予測して避けていく、安全管理担当。

ビジュアルはひょろひょろで弱そうな感じ。

 

〇ムカムカ

嫌なこと(心にとっても体にとっても)を避けるための存在。

「転校したら、クラスメイトに向こうから話しかけてもらわなきゃ」とか「親といるとこなんて見られたくない」とか、ツン属性な感じ。

(感情関係ないけど)おしゃれ担当な部分もある女の子。

 

〇イカリ

主張をはっきりさせるために必要な感情。良くも悪くも、決断力になることも。

いつも新聞を読んでるおじさん?キャラで、新聞見出しがちゃんと変わってるのが面白い。

自分が引っ越したのに、前の土地の友達が楽しそうにしてるのが分かると「ライリー不要論」の一面になってたり。芸が細かい。

 

〇カナシミ

ヨロコビに「何のためにいるのか分からない」と思われている感情。

楽しかった映画は「犬が死んじゃうやつ」で、悲しみに浸るのが大好き。

思考は常にネガティブ。

 

で、この感情たちは「ライリーを幸せにするために」日々奮闘。

 

すごいところ

 

脳内に複数のキャラがいて会議をしている…なんてのは、真新しい表現ではないです。

でも「ここまでやるとすごいな」と思える。

 

インサイドヘッドに登場するそれぞれの「感情」は、キャラ付けの割り振りだけじゃなく、役割も明確。

生まれたてのころはヨロコビ一人でスイッチも一つだけだったのに、

だんだんと「司令部」に感情と操作ボタンが増えていくという流れも「なるほど」です。

 

ライリーの司令部の中心はヨロコビだけど、

彼女のお母さんの中ではカナシミ、お父さんの中ではイカリが仕切っている描写もチラリ。

「お母さんは穏やかで、他人の表情をきちんと見れる人なんだろうなー」とか、

「お父さんは会社を始めたっていうぐらいだから、自己主張をしっかりして突き進むタイプなんだろうなー」とか、そんな想像もできます。

 

(お母さんが、夫婦関係でイラッとくると昔の恋人を思い出すのも、あるある~!ってなる)

 

「思い出」がぎゅっと抱きかかえられるサイズのビー玉みたいなもので表現されているのも面白い。

愉しい思い出は黄色、悲しい思い出は青色…と色分けもされているようです。

スマホみたいに、さって撫でると場面が再生される仕組み。

そしてたくさんのビー玉の中で、数個だけまぶしい光りを放つのが「特別な思い出」。

これがライリーの性格の素になるんだよ、って基本設定も、なんだかすんなり入ってくるんですよね。

 

記憶の保管場所、忘却の谷底、夢の制作スタジオや、階段をずっと下ったところにある潜在意識の部屋。

CMソングを急に思い出して、頭から離れなくなってしまうワケ。

ピクサーらしくカラフルで楽しい映像もさることながら、

心理学?脳のこと?の専門家が見ても、なるほどうまく表現したなぁと思いそうな世界です。

(おおたは専門家ではないので、きっとそう思うに違いない!という想像ですが。

実際に、神経科学者と意見交換しながら作った…というwiki情報は有り。)

 

空想の友達、ビンボン

 

さぁ、もうどんどんおおたの好きポイントに触れていきましょう。

正直、メインの感情たちを食う勢いで好きなキャラが「ビンボン」

ライリーが3歳のころ創った「空想の友達」です。

わたあめで出来たピンクのボディで二足歩行、象のような顔、猫みたいにふさふさしたしっぽ、キャンディーの粒の涙…。

こんなに個性的で、物語上重要なキャラなのですが、予告・ポスターには全く登場しませんでした。

おおたも初見で「あれっ、こんなの出てくるんだ?」と驚いた。

 

これはもう、完全にピクサーの作戦ですよね。

へぇ、こんなキャラも!という意外性に加え、

すっかり忘れていた大事な何かを、急に突きつけられたような驚き。

 

「近頃は、空想の友達には声がかからなくなってね…」とか

「(最近の記憶玉を再生して)ライリーこんなに大きくなったの!?」と驚く姿とか。

切ないのよ。

 

先述の通りとってもユニークな容姿だし、吹き替えは佐藤二朗さん。

(おおたにとってはヨシヒコの「仏の人」。)

おふざけ担当というのは出会ってすぐに分かります。

キュートなんですよ。

ふざけた可愛い姿なのに声はおっさん、というのは、オラフに通じるものもありますね。

 

で、脳内迷子の途中でビンボンに出会ったヨロコビは

「一緒に司令部を目指そう!あなたのこと、ライリーに思い出させてあげる!」と言うのですが…。

結果的に、それはうまくいきません。

 

道中、誤って「忘却の谷底」に落ちてしまうヨロコビとビンボン。

ここに落ちてしまったら、もう忘れられてしまうだけ。

まわりでは思い出のビー玉が、つぎつぎ風化しています。

 

絶望の中、同じく谷へ落ちていたビンボンのロケット(と言っても見た目は箱というか、ソリみたいな感じ。動力は歌のパワー。たのしい友達♪ビン♪ボン♪ビン♪ボン♪)で谷底から上を目指す作戦を思いつきます。

なにそれめっちゃ良いアイデア!と盛り上がるのですが…なかなか成功できません。

 

ビンボンは「さあ、もう一回だ。次はうまくいきそうだよ」とヨロコビを励まします。

ハンドルを握るヨロコビ。後部座席にはビンボン。

たのしい友達♪ビン♪ボン♪ビン♪ボン♪

「いいぞ!もっと大きな声で!」ビンボンは叫びながら、気づかれないように、ロケットからそっと。

身軽になったロケットは、ヨロコビだけを乗せて無事谷の上へ。

谷底から「やった!これでライリーを助けられる!」と喜ぶ姿に、どうしても涙が出てしまうわけです。

 

ビンボンは元から忘れられていたようなものだし、司令部にヨロコビがいないことの方がライリーにとって大問題。

非常に合理的な決断だけど、寂しくてたまらない。

これも「アナのためなら、融けてもいいよ」と言ったオラフの自己犠牲を思い出しますね。

 

「いつかライリーを月へ連れて行ってあげるんだ」と、存在意義のように言っていたビンボン。

彼の一番大切なロケットが絡んでいる、というのもぐっときます。

 

ロケットを使って(ヨロコビを助ければ)ライリーは幸せになれる。

ロケットを使って(ヨロコビだけ助ければ)自分はライリーと一生のお別れ。

 

谷底から「月へ連れて行ってあげてね」と呟いて、消えていくビンボン。

ビンボン…!

 

ライリーはこれから、いろんなことを知ります。いろんなことを覚えます。いろんな経験をします。

幼いころのことは、忘れるのが自然です。

そしてそれは、わたしたちみんながそう。大人になるためにやってきたこと。

自分は小さいころ、何が好きだったかな…?なんて、つい思いをはせてしまうような。

トイ・ストーリーのテーマにも通じるかもしれないですね。

ピクサーこういうの好きやな!

 

絶対正義、ヨロコビ

 

もちろんこの映画の面白さは、ビンボンのお涙頂戴展開だけではありません。

 

実質主人公のヨロコビについて。

こいつ、とにかくポジティブなんですよ。

何か悪いことがあっても、転換して愉しんじゃう。

(雨もいいよね!水たまりで跳ねるの最高!みたいな)

もちろん、ポジティブは悪いことではありません。

自分にもまわりにも、幸福感のためにヨロコビは無くてはならない感情。

 

だからこそ、この司令部では絶対正義的扱いをされています。

いつもみんなの中心はヨロコビ。

さぁ、チーム・ハッピーでいこうよ!わくわくしちゃうね!←わくわくしちゃう、が口癖。

 

でも、ポジティブだけじゃ生きていけないんだよなあ。

 

先ほど忘却の谷底のエピソードを話しましたが、実は先にロケットだけが落ちてしまうんです。

ロケット落としちゃった…ぼく自身もいつかは忘れられるんだろうな…と落ち込むビンボン。

ヨロコビは彼を励まそうと「こちょこちょモンスターだぞー!」やら「ほら見て、変な顔するよ~!」やら

「ねぇ、目的地まで誰が先に行けるかゲームしようよ!」やら頑張るのですが

ちっとも効果はありません。

 

そりゃそうだ。

 

そもそも落ち込むことを知らないヨロコビは、なんでこいつ元気ないのー?と呆れた表情。

 

(ビンボンだけでなく、いつもネガティブなカナシミにも、けっこうつらく当たっています。

「ライリーの幸せのために、あなたは思い出玉にも司令部のボタンにも触っちゃダメ!」みたいな。)

 

吹き替えは竹内結子さんなのですが、もう最高にお上手なんですよね。

明るくて元気で、「ライリーを幸せにするため」という大義名分のもと、とにかく自分が正しい!と押し付けてくるこの感じ。

わくわくしちゃうよね~!←ある種最高に滑稽。

 

そして、現実にもたまにいるよねこういう人~!

悪い人じゃないんだけど、限度を過ぎると押し付けになったり、宗教じみた感じになるんだよね。

 

カナシミ

 

そして先述の落ち込んだ状態のビンボンを励ましたのは、カナシミでした。

励ますというより「寄り添う」というかたちで。

「悲しいよね」と落ち込んでいる自分を認めてくれて、話を聞いてうなずいてくれる。そんな相手がいるとホッとできる。

まずは悲しみに浸るって必要で、そのあとはじめて、よし進もう!と前を向けるようになる。

こういうのも、誰しも思い当たることじゃないでしょうか。

 

ビンボンの様子や、ある思い出玉をきっかけに、

「なんのためにいるのか分からない」とされていたカナシミの存在意義が見えてきます。

 

ひとはー悲しみが―おおいーほどーひとにはーやさしくーできるのーだかーらー(海援隊、贈る言葉より。)

 

悲しみを知らないと、悲しんでる人に寄り添えない。

悲しみを表現できないと、誰かに寄り添ってもらうことはできない。

 

脳内でみんながわちゃわちゃしてるあいだ、現実世界のライリーは

引っ越し先の環境がつらくて、以前住んでいたところまで家出を図るのですが。

最後には悲しさ、さみしさを両親に素直に伝えて、抱きしめてもらうことで収束します。

 

そのときに生まれたのが、きらきら光る「特別な思い出玉」。

これまでは単色だったのに、新しいそれはブルーとイエローのマーブルです。

引っ越しは悲しかったけど、両親とちゃんと分かり合えて、抱きしめてもらえたことが嬉しかった…そんな気持ちのつまった思い出玉。

 

人間の感情って、単純じゃないですよね。

その後の司令部のシーンでも、マーブルの思い出玉が増えているのが見られます。

大人になるほど、感情は複雑になるってことですね。

 

ちなみにヨロコビはポジティブ野郎だけど悪いやつではないので、

自分が間違えたことはきちんと謝ったし、カナシミの役割もきちんと認めます。

上述の両親に抱きしめてもらうシーンも、ヨロコビが「ここはあなたでなくちゃ」とカナシミに操作ボタンを任せたからこそ。

 

説教臭い見方をすれば

「不要な人なんていないよ。みんな何か理由があって存在して、それぞれ得意なことや役割があるんだよ。

ハッピーのためには、共存・協力しなくちゃね!」というメッセージでしょうか。

 

子どもが見ても楽しい大人向け

 

これって、大人向けですよね…?

 

ビンボンのエピソードでハッとするのは、ある程度の年齢以上だと思うし。

ライリーの小さいころの思い出の場面で、あー自分も小さいころ可愛かったのかな?こうやって大事に育てられたのかな?って思えるのも。

 

あと、ヨロコビがまるで母親のような顔をすることがあるんです。

ライリーの幸せのために!と奮闘(暴走)する姿もそういえばそうだし、

忘却の谷で、灰色になったたくさんの思い出玉を撫でているときも。

「覚えてる。ライリーは塗り絵するとき、いつも舌を出してた」とか語り始めるの。

忘れられない大事なことばっかりなのに、谷底で消えてゆく思い出たち。そして、忘れられそうな自分自身。

わたしにはまだ分からないけど、子育てしたことある人は、このあたりでもちょっとほろりとくるんじゃなかろうか。

 

ね?大人向けでしょう?

 

でもそれでいて、表面上というかなんというか、そんなセンチメンタルに浸らなくても、楽しい世界観になっている。

ビンボンのことだって「一緒に冒険してた仲間がいなくなっちゃった!」という寂しさだけでも、感情の仕掛けとして辻褄は合う。

 

子どもも楽しいし、大人もキュンと楽しめる。

そこがすごい。生半可な志では、こんな映画は作れないと思う。

 

インサイドヘッドって、公開当時、反応がちょっと地味だった覚えがあるんです。

見てみたいな~と思ったけど、結局レンタルまで見なかったくらい。

空前の大ヒット!とかじゃなかった。

ミュージカルじゃないから、アナ雪みたいな流行り方もなかった。

(そうそう、ミュージカルは苦手…という方も是非)

 

でも、名作だと思う。

おおたは大好きな映画です。

面白いし、すごいなぁって感服するし、何度目でも「やっぱり面白かったなぁ!!」って思える。

おすすめします。

 

 

 

ではね |ω°)ノ

 

(そのほかディズニー・ピクサーの感想はこちら) 

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